次期学習指導要領等「審議まとめ」に現場の声を届けよう!

10月6日、文科省は、中教審教育課程部会「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ(以下、審議まとめ)」に対するパブコメを開始しました。このパブコメは、年度内に出される中教審答申にむけた意見反映を行うものです。文科省は、中教審答申を受け、次期学習指導要領を告示し、小学校は2030年度、中学校は2031年度からの実施を予定しています。
カリキュラム・オーバーロード、現場の多忙化などが解消されない状態のまま、新しいことが組み込まれることは、子どもや教職員にとって、負担が増すばかりです。子どもを中心に、子どもの権利が保障される改訂にするため、私たちの意見を届けましょう!
- 中教審教育課程部会「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」の全文 https://x.gd/aLuGE
- 「審議まとめ」に対する日教組の考え方 https://x.gd/2uNOE
パブコメのとりくみ方
- 次のURLに、個人の端末でアクセスして投稿してください。
https://forms.cloud.microsoft/r/Bp1SKFx3in - 提出期限 2026年11月5日(木)
- 名前や年齢などの個人情報の入力は不要です。
- パブコメ文例を参考に現場の実態や自分の意見を添えて投稿してください。
- 「意見の分類」の部分では、「分類番号」にチェックが必要です。パブコメ文例に「分類番号」を付しているので参考にしてください。
改訂のポイント(大きく変わる4点)と課題、パブコメ文例等
1.小学校総合に「情報の領域」、中学校に「情報・技術科」を新設
課 題
各教科から数コマずつを回して新教科・領域(年間30~70コマ)を創設する見通しです。新しい学習内容を入れ込むのであれば、各教科の学習内容の削減が絶対条件。また、標準時数を「最低基準」とする2003年通知の見直しが必要です。
パブコメ文例
分類番号⑤ 小・中学校の年間総授業時数を削減し、各教科等の標準授業時数を弾力的に下回る制度を明確にすること。時数の組み換えでは教育課程全体の過密さを解消しない。真の「余白」には、内容精選と年間総授業時数の削減が必要である。
分類番号⑧ 小学校高学年では、上限である週28コマの授業と、朝学習の実施、休み時間の短縮などが行われ、現状のままで、新たに教育内容を加えることは不可能である。学級担任は、授業に加えて、ホームルーム、給食指導、清掃指導、生徒指導などで勤務時間を終えることが常であり、教材研究や学級経営に関する事務などは時間外に行わざるを得ない。より一層の教育内容の精選とともに定数の大幅改善などの条件整備が不可欠である。
分類番号⑧ 小学校中・高学年の総合的な学習の時間に「情報の領域」、中学校に「情報・技術科」が新設される。現在のカリキュラム・オーバーロードで、教材研究の時間も十分に確保できていない状況に加え、新しい学習内容が増えることはさらに多忙化を招き、長時間労働の解消にはつながらない。新設する前に、教育内容の削減を実現させる必要がある。
分類番号⑦ 情報に関わって、リスクという言葉にとどまらず、いじめや差別の助長にかかわる課題を明記し、人権教育をしっかりと位置付けるべき。知識やスキルだけでなく、それを扱う人権感覚をはぐくむことと両輪であるべきである。
2.高校の教育課程の柔軟化、単位の細分化
課 題
高校の時間割編成は今以上に複雑になり、子どもや教職員にとって負担が増すばかりです。今のままの大学入試制度では、教育課程の柔軟化は現実的でありません。
パブコメ文例
分類番号④ 教育課程の柔軟化を実施するのであれば、教員一人当たりの授業時数、カリキュラムマネジメント、授業以外の準備等が今より増えることが想定される。それに必要な教職員定数の改善を同時に行うべきである。また、過疎地や小規模校では、生徒数の減少によって教員数も減少しており、科目を開設できず、学校間格差が拡大する可能性がある。
分類番号⑧ 外部資格による必履修科目の履修免除は安易に導入すべきではない。受験料や資格取得のための学校外教育へのアクセスの差が、学校教育の差につながる恐れがある。さらに、高校入学前からの資格取得競争を促進する可能性もある。
3. 「多様性の包摂」にむけた教育課程の柔軟化
課 題
多様な子どもの学びの保障のために、教育課程が2層に分けられています。これは、インクルーシブ教育の推進にはならず、さらに分離教育がすすむ懸念があります。
パブコメ文例
分類番号④ 特別な教育課程の新設・拡充や「多様な学びの場」の整備だけでは、多様な子どもが通常の学級で共に学ぶ権利が保障されたことにはならない。学習及び参加を妨げる環境上・制度上の障壁を除去し、本人と保護者の意思と尊厳を基礎として、通常の教育制度へのアクセスと合理的配慮を保障する必要がある。
分類番号⑪ 「2階部分」という制度や場所が用意されることで、安易な分離につながるという懸念がある。困難を改善するという「個人モデル」ではなく、「人権モデル」にもとづきすべての子どもがともに学ぶことができる学校づくりへと政策を転換すべき。またそのための環境整備や人的配置等の措置をすべき。
4.調整授業時数制度の導入
課 題
現場では、調整授業時数を生み出すために子どもの登校時間が早まったり、給食の時間が遅くなったりしています。子ども・教職員にとってゆとりが生まれるような調整授業時数制度とするには、現場の声が必要です。
パブコメ文例
分類番号④ 調整授業時数制度は任意利用とし、利用しない学校の判断を、学校評価、管理職評価、予算配分上の不利益に結び付けないこと。
分類番号⑧ すでに限界となっている週時間割に、教職員の教材研究の時間を組み込むことは困難であり、現場に混乱を招くことになる。まずは、学習内容の精選と削減を行い、現場で実感できるようにしてほしい。
その他、「部活動の位置づけ」「包括的性教育」「特別支援教育」「外国につながる子どもの教育」等についても、ぜひ意見を送りましょう。

